愛の身体がこれほど欲しいと思った事はない。
会う度に身体を求めるだなんて、何て動物的だって思うけど。

でも、愛は飽きないんだ。


抱いても抱いても飽きない。



果てながら、俺はそう思った。


タバコを吸う愛は、

「……どこから聞けばいい?」

煙を吐き出すとそう聞く。


「…どこから話せばいいだろうか」


俺もそう呟く。


本当に、どこから話せばいいのかわからないぐらい色々あった。



「まあ、焦らなくていいんじゃない?」

「……」

「私と千里の時間はこれからたくさんあるじゃん。
無理に聞き出すつもりなんてこれっぽっちもなかったし」


灰皿にタバコを押し当てながら言う愛に、自然と俺の口角が上がる。


「…愛、結婚しようか」

「……は!?」


目を真ん丸にして、愛は俺の顔を食い入るように見つめた。


「いきなりどうしたの?千里、本当にどうしたの?」

「いや、俺が思ってた通りだったから」

「何が」

「何がって」


愛はまだ目をぱちぱちとさせている。
急過ぎてついていけないみたいだ。


そんな愛の姿が面白くて、俺は込み上げてくる笑いに耐えられなかった。