「…文子さんは何度も後悔の言葉を吐いていた。
会って謝りたいけど、会えないと言っていた。
それと何か関係があるんだろう?」
「……」
でも、母親が俺と引き換えに金を受け取ったのは事実。
金さえ受け取らなければ、きっと俺はレンタル彼氏をやっていなかったから。
冷めた目でその誓約書を見つめる俺に目の前の男が声をかけてきた。
「…千里君、言っていいかわからない。
だけど、我慢出来ない。何で1000万なんてお金借りたんだ?」
「………は?」
何の、話?
1000万?
「君が借金した肩代わりをしてくれる人と約束したから会えないって、それだけ聞いてた。
文子さんは女手一つで頑張って養っていたはずだろう?
それだけでは不満だったのかな」
「………ちょ、っと、話が見えないんですが」
「千里君が借金をしたんだろう?
1000万なんてお金…一体何に使ったんだ…」
「………」
俺が、借金?
そうか。そうだったのか。
「……はは、あははは」
一本の線が繋がった時、俺は思わず声を上げて笑っていた。



