「愛」 -レンタル彼氏-【完結】

「あ、何か飲むかい?お茶しかないけど…」

「いえ、お構いなく」

「そうかい?
…はあ、千里君がこんなにカッコいいとは思わなかったな」


目を細めながら男は俺の顔を見つめる。
どこか、嬉しそうに。


「…あの、」

「何だい?」

「貴方と俺って…どんな関係なんですかね」

「関係?そうか、そうだよな、ごめんごめん」


ははっと笑うと、その男は頭を撫でた。
それから、少し悲しそうな顔を見せて男は話し始める。


「僕は君のお母さんの夫。…だった」

「………は?」


意味不明。
俺の父親と顔違うんだが。


「再婚相手なんだよ、文子さんと」

「……」


そう言うと、男は引き出しから何やら取り出して俺に渡す。
一枚の写真だった。

そこには確かに俺の母親が写っていた。
満面の笑みを見せて。
その隣には今よりも全然若い目の前の男もいる。


「………」

「文子さんは君の事をよく僕に話してくれた。
写真も何もなかったけど、カッコよかった、母親想いの自慢の息子だって。
何度も何度も嬉しそうに話してくれた」

「………」

「詳しい事情はわからなかったけど、離れてしまった事を何度も後悔していた」

「…嘘言わないで下さい」

「嘘?」


俺は目の前にある机をバンっと叩くと、男を睨みつけて低い声を出す。