「愛」 -レンタル彼氏-【完結】

翌朝、出かける準備をした俺は家を出る。
タクシーを拾って、駅までと告げた。


俺はバックシートにもたれながら、流れて行く景色を見つめた。


それから、白井さんから受け取った紙に視線を落とす。
あれから何度も何度も見たけど、住所に心当たりなんてないし、電話番号だってもちろんわからない。

ピンとも来ない。


すぐに駅に到着し、タクシーから降りると改札に向かう階段を下る。
その住所の最寄り駅までの切符を買うと、ホームへと進んだ。


携帯を開くと、メールが来ている事に気付く。

愛か?

相手はやはり愛だった。


【おはよー。
千里、今日も空は快晴。
仕事日和…買い物したーい。
今度行こうね!】


【わかった。】

俺は愛のメールにそれだけ返信する。


それから。

空を見上げた。


真っ青な空。

ふっと笑みがこぼれる。



行こうねって。いつも強制だっつーのな。
荷物持ちでも何でもいいけども。

いつ着るんだよってぐらいの洋服達を買うんだろうな。


何か、愛のお陰で少しモヤモヤした気持ちが晴れたわ。