「愛」 -レンタル彼氏-【完結】

「よく、わからないですけど行ってみます。明日にでも」

「そうしてあげて、千里君」

「わかりました。長居するのも悪いんで…俺はこれで」

「本当にありがとう」


口角を上げて、俺は頭を軽く下げた。

病室を出て扉を閉めた俺は、ポケットに入れた紙を一度出して見る。


「……」


顔を上げて、ポケットに再度その紙を仕舞いこむと外へと向かう。
それから愛に電話をかけた。

すぐに出た愛。

「はいはーい」

「終わった」

「想像以上に早いね」

「まあ」

「じゃ、行くよ」


愛は10分程で現れた。
この病院には目立つ真っ赤な車で。

無言で乗り込むと、愛は俺の方をじっと見ていた。


「……何?」

「いや」

そういうと、愛は前を見て車を発進させる。


何だ。
変な顔でもしてたか、俺。

その後、愛も何も言わなかったから俺からも言わないでおく事にした。

俺自身、イマイチわかってないしな。
あの連絡先が誰のモノか。