「愛」 -レンタル彼氏-【完結】

一人でいいと思ってた。
一人がいいと思ってた。

だけど。

一人だと、苦しかった。


色々な事を思い出して、辛かった。


どうしても、レンタル彼氏だった時の事を思い出す。
くるみを思い出した。
母親を思い出した。

だけど、愛といたらそんな事思い出す暇がなかった。


騒がしかったから。


一週間。
愛がいない生活で、他の誰とも会わない生活をしてみて、よくわかった。


俺にはなんだかんだ、誰かしらいつもいたんだ。

それが、客だったり、聖や吏紀や伊織だったり。
愛海であったり、他の女であったり。

愛だったり。


友達や、彼女と呼べる存在でなく、誰かしら。


それがいなくなった時、思い出したのは。


いつだって、愛だった。