愛海をまっすぐに見つめて。


「ごめん」


たった、一言。
そう、告げた。


「くるみの妹だから、とかそんなんじゃない。
悪い、愛海をそう言う目で見れない。
だから、これからこの先、好きになる事はない。
変わらない」


愛海の目にまた涙が滲む。
だけど、今度はそれを俺は拭わない。

抱き締めて甘えさせる事もしない。


「今日は、ありがとな。
愛海…それじゃあ」



そう言うと、俺は愛海の横をすり抜けた。
引き留める事もせずに、愛海はその場にただ崩れ落ちる。


俺はこの日。

やっと、くるみと本当の意味で決別出来たんだ。