「綺麗じゃないけど、どうぞ」

「……」


きちんと揃えられた靴。
思ってたよりも、シンプルだった。
もっと、女の子っぽくピンクとかあると思ってたのに。

…なんか…くるみの部屋を思い出す。


部屋へと上がると、愛海はカバンを床に置く。
それから

「お茶でいいかなー」

と言いながらキッチンへと向かった。


「ああ」

返事をしながら、ぐるっと部屋を一度見渡す。




そして。


見つけた。



「…………これ」


グラスにお茶を入れた愛海がテーブルにそれを置いてから、俺の視線の先を辿った。