「飯はいいのか?」

「うん。だって、お家に残りあるじゃない」

「…ああ」

白井さんからの貰い物の手料理。
半分以上は食べたけど、まだ確かに残っている。

一人で食べきるには少し大変な量だ。


「だから、ご飯とかだけどっかで買って帰ろうよ」

「わかった」


俺と愛はデパートにある地下街に行き、総菜屋でご飯などを買うと帰路についた。
運転しながら愛はタバコを手にする。

火を点けると、煙を吐き出しながら思い出したかの様に話す。


「あ、千里。
明日から私海外行くから一週間は帰れないかも」

「そうか」

「寂しい?」

「…そうだな」

「間があった」

「はは、騒がしくなくていい」

「何それ」

「だけど、その騒がしさがなくなると恋しくなる」

「……本当に?」

「ああ」


確認する愛に即答した。

本音だった。


愛は一緒にいればうるさいと思うし、面倒なのに。
離れると途端にその騒々しさが恋しくなる。


俺が愛とずっと一緒にいるのはそれが原因かもしれない。