「愛」 -レンタル彼氏-【完結】

「い、ぞく…って…。
え。
くるみ、死んだんですか」

「知らなかったんかい?」


ぽかんとした顔で、おじさんはさらっとそう言う。


状況が全く呑み込めなかった。
どういう事?
連絡取れなかったと思ったら…くるみは死んでた?


「可哀想に。事故だってねえ。
まだまだ若かったのに」

「………じ、こ…」

「ああ、よそ見運転していたトラックが突っ込んできて即死だと。
薄情だね、後日行くといいながら誰一人家族は引き取りに来ないんだから」


そう、ぶつぶつと文句を言うおじさん。



「……あの」

「ん?」

「…部屋に入ってもいいですか?」

「ああ、いいよ。鍵、鍵…」

「あ、鍵はあります」


そう、合い鍵は持っている。
だけど、開けなかったのはくるみを最後まで信じたかったって気持ちと、信じられない気持ちが混じっていたから。