「愛」 -レンタル彼氏-【完結】

「千里さん、待ってました。どうぞ」

その男はにこりともせずに中へ入る様促す。
俺は戸惑いながらも、部屋へと足を踏み入れた。


部屋の奥へ進むと、ソファに深々と腰かける可愛らしい顔した男。
その向かいのソファに座る見るからに頭がよさそうな男。
そして、隣に座っているアイドルみたいな顔をした男。

その三人が俺をじろっと見る。
それに少したじろいだ。


……なんだ?
こいつらもその仕事をするのか?


「あ、千里さんは誠さんか吏紀さんの隣に」


アイドルみたいな顔をした男のソファは一人掛けだし、多分知的そうな男か、可愛らしい男のどちらかだろう。
名前はわからないけど。


「…いや、別に立ってる」

「………そう、ですか」


壁にもたれかかろうとした時に、可愛らしい男が俺に声をかけた。