「愛」 -レンタル彼氏-【完結】


「千里のカッコよさにたまに嫉妬してるもん」

「……は」


くるみは俺を見てから、そう言って目を伏せた。


「隣歩いてると、千里の事をカッコいいって言う声聞こえたりするんだよね」

「俺は知らない」

「私が気にしてるだけかな。
まあ、そんな人が自分の彼氏だって優越感もあるのも事実だけど」

「何だそれ」

「自慢なんだよ。
千里は真っ直ぐで。
見た目以上に、素敵な中身に私は惹かれたの」

「………」

「千里。
大好きよ。
世界で一番愛してる」

「…………」



好きなんてわからなかった。

俺がくるみに好きだって伝えた事、あったかわからないぐらい俺は口にした事がなかった。



だけど。