「愛」 -レンタル彼氏-【完結】

見上げたマンションは最近建てられたもので、まだどこもかしこも真新しい。
ピカピカのフローリング。
広々としたエントランス。
駐車場も設備されている。

キョロキョロと辺りを見回しながら俺は奥へと進む。
エレベーターの上ボタンを押して、俺は待つ。
紙には八階と記載されていた。


目的の階に到着すると、俺は記載されている部屋番号を探す。
これだけ奥行きがあるのに、部屋の数は少なくて一部屋一部屋が広いってことを表していた。


家賃高そうだな。
なんて事を考えていると、目的の場所に辿り着いた。

8007号室。


真新しい所為か、威圧感ある扉だった。
そのすぐ横についているインターホンを俺は押した。
すぐに声がする。


「はい」


それは西園寺のものではなかった。


「あー…今日、西園寺さんに来いと言われてきた長城千里です」

「あ。はい、今いきます」


それからほどなくして扉が開く。
その奥からひょこっと飛び出た人を見て、俺は目を見張った。

俺と、身長20cmは違うだろうちっちゃいぽっちゃりした男が出てきたからだ。