家出をした日に着ていたデニムを久しぶりに履いた。
何気なしにポケットに手を突っ込むと、何かが手にあたる。
それをそっと、取りだすとくるみに貰った名刺を見つけた。
「あ」
思わず、そう声が漏れる。
かけると言っておきながら、ずっとかけてなかった。
俺は家電の受話器を取ると、その名刺を見ながらくるみの携帯番号を押して行く。
少しのコール音の後、営業の声なのか、高いくるみの声が受話器の奥からした。
「はい、宝田です!」
「……ぷっ」
「えっ?あの、どちら様でしょうか?」
「あははは」
「え、あのっ」
急に笑う俺の声を聞いて、あからさまに動揺してるくるみ。
その姿が受話器越しでも想像出来て、更に俺は笑い声をあげた。
「ごめん、俺、千里」
「……千里ーーーー????」
あまりのでかい声に、咄嗟に受話器から耳を放す。
その受話器から、更にくるみの声が続いているが耳を近付ける気にはなれない。
「千里ーおーーい」
暫く放していたら、そう聞こえたから俺は受話器を耳へと戻す。
何気なしにポケットに手を突っ込むと、何かが手にあたる。
それをそっと、取りだすとくるみに貰った名刺を見つけた。
「あ」
思わず、そう声が漏れる。
かけると言っておきながら、ずっとかけてなかった。
俺は家電の受話器を取ると、その名刺を見ながらくるみの携帯番号を押して行く。
少しのコール音の後、営業の声なのか、高いくるみの声が受話器の奥からした。
「はい、宝田です!」
「……ぷっ」
「えっ?あの、どちら様でしょうか?」
「あははは」
「え、あのっ」
急に笑う俺の声を聞いて、あからさまに動揺してるくるみ。
その姿が受話器越しでも想像出来て、更に俺は笑い声をあげた。
「ごめん、俺、千里」
「……千里ーーーー????」
あまりのでかい声に、咄嗟に受話器から耳を放す。
その受話器から、更にくるみの声が続いているが耳を近付ける気にはなれない。
「千里ーおーーい」
暫く放していたら、そう聞こえたから俺は受話器を耳へと戻す。



