「行かねえんだけど」
「帰りたくなったら帰りなよ」
何だ、それ。
今既に帰りたいわ。
だけど、腕を振り払うのを戸惑ってしまっていて。
気付けば、ファミレスの前にいた。
「さ、行こう」
「……」
家に帰りたくないし、いいかと思って仕方なしに彼女に着いて行く事にした。
店員に通されて、一番奥窓側のテーブル席に座る。
向かい合わせで座ると、彼女は「何食べる?」なんて言いながらメニューを開いた。
「私はー…和膳定食。君は?
てか、君の名前は?」
「………千里」
「千里ね。私はくるみ」
「くるみ?」
「そう、くるみでいいよ。さ、千里は決まった?」
「……俺も一緒でいい」
「本当に?わかった、そうしよっか」
くるみは呼び出しボタンを押す。
すぐに来た店員に、和膳定食二つとドリンクバーと告げてメニューを閉じた。
復唱に頷き店員が去ったのを確認すると、くるみは俺を見た。



