俺はタクシーに乗り込むと、寮へと戻った。
誰とも顔を合わせたくない。


お金を支払い、タクシーから降りた俺は寮に入るとエレベーターに足早に乗り込んだ。
目的の階に到着して、だだっ広い廊下を歩く。
幸い、誰とも顔を合わす事無く部屋に入る事が出来た。

自分の部屋に入り、扉を閉めてから鍵をかける。


カチっと、音がしてから。

俺はズルズルとその場に沈み込む。



どうして。
こうも。


俺は必要とされていないのだろうか。


俺を。
俺だけを。


必要としてくれる人はいないのだろうか。



それが。
悲しい事なのか。

なんなのか。

もう、分からなくなるほど。


俺は孤独に蝕まれていた。


独りでいる事が。
ただ、当たり前だと信じて。