――――――――………


「ねえ、千里?」

「何?」

「私ね、子供は二人欲しいな」

「は」

「男の子、と女の子。
寂しくない様に二人」

「……いいんじゃねえ?」

「そう?私、妹出来た時に本当に嬉しかったから絶対二人は欲しい」

「………くるみの為なら何でもしてやるよ」

「ふふ、ありがと」



そこで、俺は目を覚ました。


夢にまで見るだなんて…どうかしてる。
隣には新しく契約した客が寝ていた。
その姿を一瞥してから、俺はベッドから抜け出る。


真っ直ぐ洗面所に向かい、水を出すと思い切り顔に打ち付けた。
何度も。
何度も。



キュッと蛇口を閉めると、俺は洗面所の隣にあるタオルで顔を拭いた。


「…ひでえ顔」


ぽつりと、鏡を見て俺は呟いた。


「…ん、千里~?」