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「……ん」


今何時だ。
眠気眼で俺は時計に手を伸ばす。

ベッド脇にある時計の時刻は…、昼の3時。


結構、寝ちまったな。


隣では俺と同様、熟睡した愛がいる。
無邪気に寝顔を俺に見せていた。


「……懐かしい夢だったな」


俺はそうぽつりと呟く。
最初から、愛はハチャメチャだった。

泣いたと思ったら、怒って。
本当に我儘なお姫様。

だけど、凄く臆病で。
恋愛がわからない。

一見してモテる容姿なのに、結婚も安定しないのも、きっとそれが理由。


結局、風太は愛の姉と結婚して、愛の家に住んでいるらしい。
だから、毎日顔を合わせなくてはならない。


そこから、愛は一人暮らしを始めた。
もちろん、親に支援してもらってるけど働いて稼いでもいる。

愛は親の会社の事務でOLをしていた。


社長でなく、会長の娘。
だから、周りも愛に遠慮してしまって、友達もいないらしい。

でも、愛はその方がいいんだって気にしていない。
素が出せない友達ならいらないって断言していたから。