愛はフロントへ行って鍵を貰うと真っ直ぐにその部屋へと向かった。
部屋に入る。
広々としたその部屋に目を奪われた。


初めて見る、キングサイズのベッド。
豪華な装飾品の数々。


………いつもこんなとこに泊まってんの?


愛は慣れてるのか、冷蔵庫からビールを取りだすとそれを開けて飲んだ。
それから、大きな革張りのソファに腰を下ろす。


「千里も飲めば?」

「いや、昼間から…いい」

「えー。つまんない」

「昨日、飲んでたし、今日はいいわ」

「昨日?」


愛はビールをコトンと鳴らし、目の前にある漆黒のテーブルに置くと俺に近付く。
俺の腰に手を回して、挑発するように上目遣いで見上げる。


「…それって、女?」


腰に回した手をゆっくりと、這う様に上昇させて、俺の髪の毛へとその指を差し込む。


「妬いちゃうな」

「………」

そのまま、愛は顔を近付けると、軽く口付けをした。


「千里、抱いて」

「…………」

コクリと頷くと、俺は愛を強く抱き締めた。
ソファへ愛を押し倒すと、足元から弄る。