私がSクラスの外に出ると、
廊下で杏樹ちゃんが倒れていた。

「杏樹ちゃん!?」

私が呼びかけると、

『...結衣先輩...逃げて。敵が来ています』

そう杏樹ちゃんはテレパスを使って伝えてきた。

「おい、そこの女、待て」

そう声が聞こえた。
すると私の身体は言うことを聞かなくなった。

「名を名乗れ。それから能力を。」
「私は...」

「...先輩...言っちゃだめです...」

私はその声で正気に戻り、身体は言うことを聞くようになった。

「ありがとう杏樹ちゃん。
あなた達は誰?
ここは蝶野学園です。
勝手に入ってきてはならないところです」

「ごちゃごちゃ、うっさいな~。会長、やっちゃおうぜ」
「待て」
「はいはい」

『先輩、彼らのうちの一人は物質テレポートのアビです。気をつけてください。私は他の先輩たちに呼びかけてみます。』

すごいな杏樹ちゃん。
さすが秀才。

実は杏樹ちゃん、
床で気絶をした様に倒れていて、
気絶したように演技をしているのです。

凄い、
策士だね。

で、私はどうしよう。

演技でもすればいいのかなぁ?
杏樹ちゃんのように?

でも、演技とか苦手だし...