超能力的生徒会 in 蝶野学園

結衣side

私と杏奈先輩は飲み物を買いに自動販売機に行っていた。

「結衣ちゃん、何飲みたい?」
「えっと、じゃ、フレッシュレモンで」
「わかったわ」
「でも、何でですか?」
「いや、私がたまには奢ってあげようと思って」

そういって杏奈先輩は微笑んだ。
いつ見てもこの先輩は綺麗だな~
って見とれている場合じゃなかった!

私が見とれている間に先輩は私の分のジュースうを手にしていた。

「って、先輩!?悪いですから、私に払わせて下さい!!」
「そんな、いいわよ。これ、受け取ってちょうだい」
「そんなの悪いですって!」
「結衣ちゃん、先輩がいいって言っているのだから大人しく貰っておくものよ。わ・か・っ・た・?」

先輩!
綺麗な顔がまた怖い顔に変化してますよ!?

「わ、分かりました!!ありがとうございます。杏奈先輩!」
「いえいえ。ところで、話は変わるけれども、最近変なくらい他の学園が攻めてこないわよね」

いきなり真剣な顔になった先輩。
でも、綺麗なまま。
ちょうど、先輩の顔が太陽に照らされていて、綺麗な輪郭がもっと強調されて...

「ちょっと結衣ちゃん!?」
「は!?ちょっと、先輩の綺麗さに見とれていました。ごめんなさい」
「結衣ちゃん。そこは違う言い訳を使うべきよ」
「いえいえ、本当ですよ。前に杏樹ちゃんとそんな話をしましたもん」
「杏樹と?」

お。
杏樹ちゃんの名前が出るといつも先輩は興味津々になるよな~

「はい」
「どんな事を話したの?」
「えっと、杏樹ちゃんはクール美人で、杏奈先輩は綺麗な美人だと言う話を」
「そう。杏樹、あなたが来てから少し、表情が豊かになったのよ。彼女、あなたに少し心を開き始めているようよ。ありがとう。あの子が懐いているのは生徒会メンバーの美玖以外と美月だけだったのに。あなたは凄いのね。これからもあの子をヨロシクね」

いきなりしんみりしだした杏奈先輩。
もしかして寂しいのかなぁ。

「でも、先輩、私先輩のこと好きですよ。だって、優しいし、賢いし、強いから。それに生徒会の人たちも好きです。私が彼らとあなたの事は嫌いになる事はないと思いますよ」

私がそう言うと、
杏奈先輩はビックリした顔で聞いていて、
その後、また最初と同じ綺麗な微笑みを私に向けて来た。

「ありがとう。私はその言葉を待っていたみたい。あなた、本当に凄いはね。さすが杏樹が気を許すわけね」

「気を許す?」
「ええ。杏樹は小さい頃、私と一緒に暮らしていて、その頃以来だわ」
「杏樹ちゃんに何かあったんですか?」
「ええ、杏樹は一度5歳の時に誘拐されたのよ」

誘拐?
杏樹ちゃんが?