5分後...
「ただ今帰りました」
「お帰り結衣」
「お帰りなさい結衣ちゃん」
「お帰り」
秀会長、杏奈先輩、悟君が口々にそう言ってくれた。
でも、
「ところで杏樹ちゃんと要先輩とあと2人は?」
「ああ、杏樹と要は練習試合しているよ。裏の森で」
「練習試合?」
「ええ。あの2人は練習試合好きで困っちゃうわ」
「練習試合って言うのも一つの授業ですよ知念さん。
練習試合はパートナー同士で戦ってどっちも力を鍛える事ができるとても効率の良い練習なのですよ」

へ~
という事は、

「だから練習試合の時は俺と戦ってもらうからね。結衣」
「やっぱりそうなりなすか」
「大丈夫よ。結衣ちゃん。結衣ちゃんなら勝てるようになるわよ」
「いや、絶対にありえないと思いますよ」
「目標は、はぁはぁ、高く持つべき、はぁはぁ、ですよ。先輩」
「おっ。お帰り杏樹と要。今日はどっちが勝った?」
「要です」
「俺の勝ちだったよ~」
「でも結衣先輩、あんまり夢見すぎていてもだめですよ」
「う、うん」

なにげなく、
杏樹ちゃんってグサット刺さる事を言うよね。

「まあ、頑張ってください」
「うん」
「あの~皆さん、授業を始めたいのですが」
「あっはい」

そして私の初授業は始まった。