超能力的生徒会 in 蝶野学園

(要side)



何で杏樹はあんな事をしたんだろう。

杏樹は何も話してくれないし...

いっその事俺のアビで杏樹の心の中覗いてみるか。

いや、それやったら終わりだしな。

杏奈を呼ぶのが無難かなぁ。


でも、もしかしたら杏樹がずっと黙っている理由は俺と関係があるのかも知れないな。


「なぁ、杏樹。俺は理由を聞いても杏樹の傍にずっといるから。ただ、教えてくれない?」

「.......も...?」

声が小さくて聞こえなかった。

「もう一回言って。」

「それを知っても誰も傷つけないのですか」

その声は無感情で、杏樹が失踪して帰ってきた時のようだった。


「ああ。誰も」

当たり前だろう。

どうして、そんな事を聞くんだろう。


「じゃあ、誓って下さい。私の事で誰も傷つけないと」

「ああ。誓うよ」


何かやけにそこ強調するな。



「ならば、話します。...あんまり感情を出さないようにお願いします。

私はまぁ、正直迷っていました。このまま、私がいると、要が自由ではないのでは、と。私が縛ってしまっているのではないかと」


そんな事は無い。
俺は好きで杏樹の傍にずっといるんだから。


「それを考えた...のは私だけではなかったのです。それを考えたのは、.....要のファン達でした。私は優秀でも無くて、可愛くもないし、愛想も良くない。そのため、彼女らはそんな私が要を束縛していると考えたそうです。そして、邪魔な私が消えればもしかしたら彼女達の誰かが要の彼女になれるかもしれない。そこで、私の弱みを握ろうとしたけれど、私には弱みなど無かった。だから、彼女らは結衣先輩を使って脅しに来たんです。結衣先輩を私のようにすると」

杏樹のようにする?

「私は結衣先輩を巻き込みたくなかった。私のような目に会うのは私だけでいい。惨めになるのは私だけでいい。結衣先輩は綺麗な世界にいてくれれば。Sクラスの私以外はみんな綺麗な世界にいればいい。要はこれを知ったら綺麗な世界にいれなくなるから、私は言いたくなかった。それで、私はこんな目を見るのは私だけで終わりにしたかったから、あそこから飛び降りたわけです」