1999年。 私は自分の気持ちも分からないまま、この年の夏休みを終えようとしていた。 宮城に帰る前日。 荷物をまとめていると、結稀から電話がきた。 「もしもし。」 「もしもし、俺だけど・・・。」 「うん、どうしたの?」 「明日宮城に帰るんだよな?」 「うん。私も学校始まるし。」 「ちょっと話しあるけぇ、公園まで出てこれん?」 「分かった。すぐ行く。」 私たちが出会った公園は、いつも待ち合わせの場所。 結稀のうちの目の前で、私の祖父のうちからは徒歩30秒の距離。