「八つ当たりって!ひどいじゃないでしか!私がどんな気持ちになったかっ…」

「悪かったって。」

「思ってない!」



心のこもってない謝罪に静奈は怒って反論する。
高柳は少しも悪びれた様子はなく、“早く乗れ”とさっさと車に乗り込んだ。


なんてやつなんだ。
こんな奴に自分は3年も腹を立てていたなんて。

ブツブツ文句を言いながらも助手席に乗り、シートベルトを締める。



「ナビ入れるけど、近くなったら教えろよ。」

「…」

「橘?」



静奈はプィと窓の外を向いて答えない。


怒っているのを主張したかった。

そんな静奈に高柳はため息をつく。



「答えねぇと、キスすんぞ」

「!?」