あんな冷たくて偉そうな奴に憧れる人の気が知れなかった。 しかも高柳は静奈を覚えていないようで、社内でたまたま会っても目が合うこともない。 しかしそれは静奈にとってラッキーだった。 新入社員の心を傷つけた男となんて関わりたくない。 秘書課へ異動した後は、めったに顔を見ることはなく安堵したものだ。 苦手意識を持った今、彼に対するそれは3年たっても消えることはなかったのだった。 なのに…なのに…。