「何で泣いてんの?」 「仕事で…ミスしてしまって…」 冷たい声にビクビクしながらも、ゆっくり答える 隣の男性は「へぇ…」と呟く。 その時、先に降りる階に着いたため、小さく会釈をして降りようとした、その時。 「泣いてる暇があったら仕事しろ。」 「え…」 「それが出来ないなら、会社の邪魔だ。」 そう冷たく言い放たれ、驚いて振り返る。 エレベーターが閉まる直前にその男性と目があった。 そう…それが高柳律だった。