「いいんだよ。俺が行った所であの人の神経を逆なでしちゃうだろうし。だから静奈に伝言を頼んだんだろ。」

「そうだけど…」



高柳の腕に顔をのせ、俯く。


高柳と圭子の気持ちはわかるがやはりもっと分かちあってほしかったと思うのだ。



「いいんだよ。圭子さんもわかってる。俺もわかってる。それだけで十分なんだから」



静奈の髪をいじりながら耳元で囁く。


本心ではわかりあっている。


今はそれだけで十分なのであろう。