「ごめんな、律…」
社長は辛そうに呟いた。
高柳は顔色ひとつ変えずに社長を見て首を振る。
「大丈夫ですよ。言われること、予想していたんで。」
「でも…」
「それより社長。周りの状況を何とかするほうが先かと思いますよ」
気がつけば社員たちは遠巻きに社長らを見つめていた。
多分これでよからぬ噂が流れるだろう。
意味深なセリフ。
社長と高柳の関係に気がついた者も多いはずだ。
「あぁ…、まぁ何とかするよ」
「そうですか。ではこれで失礼します」
淡々と言って去ろうとした高柳は一瞬、静奈を見て小さく笑った。
「あとでな」
そう呟いてエレベーターに乗り込んで行った。
社長と静奈もとりあえず訪問に行かなければならないためその場から離れた。



