気がつけば愛でした




静かな怒り、といった様子がよけいに怖いと思った。


慌てる社長と静奈の隣で高柳だけは冷静に、黙って立っている。


まるで、何か言われるのを覚悟していたように。


「会っているっていうか…」



社長が口ごもると、高柳は静かに言った。



「現在、こちらで働かせていただいています」

「働く?」



圭子は初めて高柳を振り返って見上げた。



「社長には大変お世話になっております」

「何よ…、それ…」



圭子は呟いた。



「貴方…、うちの会社を乗っ取るつもりなの!?」
「け、圭子さん!?」

「乗っ取るだなんて、そんな気持ち微塵もありません。何より、僕にはその能力はありませんから」

「どうかしら?あわよくば、何て思ってるんじゃないの!?能力はなくても継ぐ権利はあるものね」