メールすると高柳は“仕方ない”と許してくれた。


会いたかったなぁ。


声に出そうになるのをワインと共にゴクンと飲み干す。



「ごめんね?無理言って」

「あ、いいえ。大丈夫です」

「そう?優しいのね。ありがとう」



圭子の笑顔につられて微笑む。


店は圭子の行き着けだという大人な雰囲気のオシャレなレストランだった。

ちょっと緊張してしまう。



「今日誘ったのはね、橘さんにちょっと聞きたいことがあって。」

「聞きたいことですか?」

「暁斗のこと」

「社長のことですか?」


社長のことで聞きたいことなんて何だろう。

静奈が首を傾げると圭子は笑った。