「律…ダメ…」



長いキスに静奈は息が上がって、高柳の背中を叩く。



「…今すぐ連れて帰りたいな…」



静奈をギュゥと抱きしめ、高柳が耳元で呟く。


息が上がり言葉は出ないが、その思いに答えるように高柳にしがみつく。


「今日、なるべく早く帰るようにするから、うち来いよ」

「うん…」



安心するその腕の中でコクンと頷く。


大体いつもそこで静奈を離すのだが、今日はなかなか静奈を離さない。



「律…?どうしたの?」


腕の中から高柳を見上げる。



「いや…別に…」

「何かあった?」



静奈の問いに高柳の腕に微かに力が入ったのがわかった。