「今…、お袋から電話が来た」 「へぇ。お久しぶりですね」 「この間の漏洩事件が耳に入ったらしい。んでな…」 言いにくそうに社長は口ごもる。 高柳は黙って続きを待っていた。 「お袋が…その、日本に帰ってくるらしいんだ」 社長が重そうに言葉を出した。 「ここにも来るかもしれん」 「そうですか…」 高柳は静かに頷いた。 2人の様子からして社長のお母様が帰国されるのはあまり歓迎されることではなさそうだった。