「社員にはもちろん今回の責任をとって九州の事業所に異動することは知れ渡るだろう。事実、上村が捕まったことにより、部長の責任問題を口にしている奴らもいるからな。しかし、部長が脅され、関わっていたことはここまでで留め置く。関谷自身が自分の罪をよく理解しているし、反省もしているからな。」

「社長、それは甘いのでは?いくら能力の高い社員とはいえ…」

「あぁ。もちろん、異動だけがペナルティーではない。」



社長は机に手をついて重役を見渡す。



「関谷には九州の事業所で三年で結果を出さなければ解雇にすると伝えてある。」



そう。


社長はただ異動して業績をあげろといったわけではなかった。