――……



翌週。



関谷部長の異動の辞令が張り出された。



実は部長の異動について、重役会議は大いに揉めたのだという。


関谷部長も今回の事件に関わったのだから懲戒解雇にするべきだという意見もでたらしい。


他には、脅されていたのだからこれくらいは妥当だという意見もでた。



重役のオジサン方がブチブチと意見を言い合う中、黙っていた社長が口を開いた。



「まず、第一に、関谷部長には部下の情報漏洩と横領について、上司として責任をとってもらう。第二に、関谷部長自身もこの件に関わっていた。 これから考えても、解雇する理由にはなる。」

「社長もおわかりならなぜ!?」

「彼の意思ではなく脅されていたから。それとーー…」



社長は椅子に深く座り、関谷部長と同年代の重役らを見渡す。