しかし高柳は首をかしげ答えようとしない。



「忘れたなぁ~。なんだったかなぁ~。」

「なっ…嘘つき!」



拗ねる静奈に意地悪く笑う高柳。


しかし…。


本当は理由はどうであれ、今、高柳が見つめてくれるのは自分であるということが幸せだと静奈は感じた。


仕方ない。


またゆっくり聞き出せばいいか。



「ところで。明日は日曜日だけど、どうする?このまま連れて帰りたいけど、お前が嫌なら家まで送るよ」

「え…」



何で嫌だなんて思うと思うのだろうか。


静奈が困惑していると



「今の話を聞いて、たぶん夜、普通ではいられないと思うから。」

「っ…」



高柳の言う意味がわかり赤面する。


それでもーー…



「私だって…普通じゃいられませんよ?」



静奈の呟きを高柳は聞き逃さなかった。


目が合い、微笑み合うと、再び深いキスをした。