「嫌いなんかじゃない…。好きだから…好きすぎるから辛い…」
静奈の小さな声に高柳がハッと息をのむ。
もう、無理だと静奈は思った。
このまま気持ちを黙ってるなんてできない。
気持ちだけでも伝えたい…。
「高柳さんが…好きです…。ごめんなさい…」
謝る静奈の頬に高柳の大きな手が振れて涙を拭う。
「なんで謝るんだよ…」
「だって…、高柳さんには友香さんが…」
「友香とは何でもないって言ったよな?」
確かに高柳はそう言っていた。しかし
「結婚…」
「しないって。ハッキリ断って友香も理解した」
「え…」
静奈は驚いて高柳を見上げる。
高柳は少し困惑したような切なそうな表情で、静奈はとっさに目を逸らす。
「うちの社長はもちろんだけど、向こうの社長とも話た。今日友香にもちゃんとわかってもらえた。俺は友香とは寄りを戻したりしないし結婚もしない。」
「じゃぁ…本当に…?」
呟くと優しく微笑み返してくれた。