「どうして…上村の誘いに乗ったのか、聞いてもいいか?」



多分聞かれるだろうとは思っていたが高柳に直接聞かれると言葉に迷う。


「それは…」

「…上村が好きだったのか?」

「それは違います!」

「なら何であんな事に…」



高柳の問いに静奈は下を向く。

酒に酔い、ヤケになっていたとは言えなかった。
しかもその原因は高柳の言葉だったなんて。



「…誘いに乗ったのは事実です。嫌なことがあって…お酒をかなり飲んでしまって…」

「嫌なこと?」



それは言えず黙り込む。
話そうとしない静奈に高柳は軽くため息をつき、頭にポンと手を置いた。


「まぁ、言いたくないなら無理にいいよ。とりあえず無事で良かった。」
「…心配かけてごめんなさい。」



静奈は深々と頭を下げた