静奈はボディーソープで身体を何度も擦った。


上村に触れられた感触を消し去りたかったのだ。


何で誘いに乗ってしまったのか。


高柳や貴子にも上村は良くないと何度も忠告されていたし、守られていたというのに。

いくら心が弱っていたからといって自分の軽率さを後悔した。



しかも上村が事件の犯人だったなんて…。



まだ少し混乱はしているがさっきよりお酒は抜けて頭がスッキリしてきた。



お風呂場から出ると高柳が用意してくれていた服に着替える。


スウェットのズボンは足元を何回も折らなければ履けなかった。
シャツもそれ一枚でワンピースになってしまう。
しかし高柳の服を着ることで包まれている感覚になりホッとする。



リビングに戻ると高柳はソファーに座り、パソコンをいじっていた。



「お風呂、ありがとうございました。」

「あぁ、出たか。おいで、水でも飲みな。」



静奈が隣に座るとペットボトルの水を差し出した。有り難くそれを受け取る。