怒気を含めた声に上村はますます面白そうに笑った。
「誘いに乗ったのは静奈ちゃんだ。お前に関係ないだろ。」
『ふざけんな!酒を大量に飲ませて連れ込むのはお前のいつもの手口だろ。』
「さぁてな。…なぁ、高柳。俺に奪われる気持ちはどうだ?悔しいか?焦ってるんだろうな。」
『何が言いたい』
「営業のエースでいつもクールなお前でも焦るんだな。ざまぁみろ」
『上村。お前…まさか俺を貶めるために橘を!?』
「もちろん。」
上村はそう笑った。静奈が怯えた目で上村を見上げた。
「うぅっ!」
『!?橘!?』
電話越しに静奈の呻き声が聞こえたのか高柳が反応する。しかし静奈は上村に口をしっかり抑えられてしまった。
「なぁ、どうせ関谷から俺のこと聞いたんだろ?」
『上村っ。あぁ、お前が主犯だってな』
「あ~ぁ、バレちゃったか。最悪。やっぱりアイツ使えねぇ。ってことは、どうせ俺クビだろ?なら最後にお前に苦痛を味あわせてやるよ。」
そう冷たく言い放って上村は携帯を切った。
静奈は口から手を離されると軽く咳き込む。



