気がつけば愛でした




「静奈ちゃん?大丈夫?」



静奈がうなだれていると上村がそう声をかけてきた。


もう何杯飲んだかわからない。
上村に進められるがまま飲んだ気がする。

ぼんやりとした意識で上村に頷き返す。

飲み過ぎて思考が回らないのに、涙だけは流れてくる。



「静奈ちゃん…」



上村は涙を流す静奈の頭を引き寄せて、抱きしめた。



「俺なら泣かさないよ」
「かみ…」

「あいつなんて忘れさせてあげる。」



耳元でそう囁く上村の言葉を静奈はぼんやり聞いていた。


忘れさせてあげる。


上村なら忘れさせてくれるのだろうか。



「上村さん、でも…」

「俺にしなよ」



上村が静奈の顔に近づく 。


何だかもう、何も考えられなかった。


どうでも良かった。


静奈はぼんやりと上村のキスを受け入れていた。