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「落ち着いた?」
会社から少し離れた大人な雰囲気のバー。
こんな雰囲気のある店なんて静奈は来たことなかったけれど、今の静奈には辺りを見回す余裕なんてなかった。
上村はおしぼりをそっと静奈に手渡す。
それを受け取り、目元に軽く当てる。
「はい…。ごめんなさい、急に…」
「何かあったの?」
上村の心配する声に静奈は俯いた。言葉にしようにも唇が震えてしまう。
「しっかり者の静奈ちゃんがそこまで泣くなんて。高柳が原因?」
「…」
「正解か。どうしたの、喧嘩でもしたの?」
頭をポンポンとする上村に首を振って違うと否定した。
「違うの?」
「喧嘩なんて…。私…」
「ん?」
「…振られちゃいました」
頭を撫でていた上村の手が止まる。
「振られた?」
「告白する前に、振られたんです。」
「え?どういうこと?」
混乱する上村に簡単に経緯を話す。
言葉にすることで少し落ち着いてきた。



