「私だって本当はこんな汚い手は使いたくないけど、でもそれくらい本気なの。やっぱりあなたが好きなのよ。」
「友香…」
高柳が腕にしがみつく友香を見下ろした。
友香は泣きそうな顔を見せる。
「おじ様には私から言ってもいいわ。…考えて置いて」
友香はそう言うと地下鉄の入り口へ逃げるように走って行った。
「どうすっかなぁ…」
高柳は空を仰ぎながら息を吐く。
まさか友香がそんなこと言い出すとは思わなかった。
友香と結婚?
友香のことは嫌いではない。
あいつの良いところ、悪いところはよくわかっている。
自分たちが結婚することで双方の会社に利益が生まれる。鮫島グループの買収話も一気に流れるだろう。
うちにもKグループにも悪い話ではない。
しかし――…………
「…俺は…」
おれは……………



