「上村さんですか?」
「あぁ」
「一度だけ、食事に行っただけです」
「前に忠告したと思うけど?」
確かに前に上村だけはやめたほうが良いと忠告されていた。
もちろん忘れていた訳ではない。
しかし上村は自分でも噂をわかった上で、お酒なしで誘ってくれた。
「何かされたわけでもないですし…。少し話をしただけです」
「話…ね」
「私が警戒してるのを知った上でお酒なしで誘ってくれたし、そんな噂ほどの人ではないと思いますよ。」
確かにチャラい所はあるがそこまでではないと思った。
「庇うね。気に入った?」
「気に入ったとかじゃぁ…」
「上村さんはお前のこと気に入ってるみたいだけど。」
高柳は一瞬、冷たい目線を静奈に送った。
その目線にドキンとする。
なぜ?
忠告を聞かなかったこと怒っているのだろうか?
「高柳さん…?」
「まぁ、俺には関係ないことだな。」
そう言って戻って行ってしまった。
静奈はその場から動けなかった。
確信をついてきたわけではないが、高柳は今朝の会話を聞いていた。きっと告白されたことには気がついていたはずだ。
“俺には関係ない”
確かにそうだろう。
でも
その一言は、こんなにも心をえぐるなんて…。



