歩き出した先輩の背中を見ながら、暗い道を着いていく。 今夜は満月で、その淡い光があるからかろうじて先が見える程度だ。 なのに懐中電灯禁止がサークル内の決まり事って……。鬼? 「怖いだろ? この道」 「はい……普通に怖いです」 「波の音とか、うなり声に聞こえるしなー」 「不気味ですね……」 「おばけ役をやるヤツがいなくても、充分肝試しになるっていう」 「……確かに」 もしもおばけ役をやるとしても、この場所でひとりで待機してるっていうのも勘弁だ。