愛は魔法を超えるかも☆

「純玲さんようこそ、お待ちしていましたよ。」

驚いた、と言っては失礼だけど、

水越大地の父親は、とても同世代の人の親と思えないほど、

若くて、金髪で柔らかい印象だ。

イケメン崩れの、無精ひげのチャラメン水越大地とは違い、

王子様みたいな美しい顔をしている。

またまた、レトロな貴族みたいな衣装が、

よく似合う。

ビアンが人間に変身してゴスロリ調の服で隣にいると、

美男美女の夫婦みたいな、

ああ、よく映画にある、肖像画みたい。

ぼんやり見とれる私に、

おずおずと水越大地が問いかけてきた。

「純玲さん。大丈夫ですか?」

「え、ええ、素敵なお父様だったからビックリしちゃって。」

「素敵ですかあ…」

水越大地はゆっくりと進み出て、

「久しぶりです、ただいま帰りました。」

そう言い終わらないうちに、

「うぐっ」

と声を出すと、もうなにも言葉を話さなくなった。

パクパクと口を動かすが、

声を出せないと表現していた。

「あ、あの?」

私が戸惑っていると。

「うるさかったのでね?さあ、純玲さんこちらに…」

スマートに私をエスコートしてくれた。