「…ね、祐磨ったら!」 「ん? わりぃ…」 「神奈ちゃんって子のどこがそんなにいいの?」 怪訝そうな顔でそう言われる。 何、楓さん反対してんの? 「どこがって…全部。」 「なぁに、それ~」 「だって全部好き、愛してる」 あの可愛い笑顔。 少し控えめな声。 小さな身長。 すぐムキになって反抗する小さな手。 誰にでも優しい心。 すべてが愛しいなんて、今頃言っても遅いんだろうな。 楓さんが言うとおり、俺以外の誰かがいるんだろう。 その俺の心を写すように窓に雨が当たる。