でも、どこかで見たことがあります。


「澄羅‥さん‥?」


自然と言葉を発していた自分に吃驚した。しかしそれ以上に相手の瞳が動揺に揺らいでいたのがよくわかった。



「皐月‥!」



肩を掴まれ誰かと勘違いしてるのだろうか女性?の名前を口にしてじっと見つめてくる。




「あっ‥あの、人違いです。私、西園寺華乃(さいおんじかの)です。」



私が名前を告げるとはっとして手を離してくれた。



「失礼。よく知る人によく似ていたもので。」


どこか寂しそうな笑顔を浮かべたあと、あなたが呼んだように名前は澄羅というと紹介してくれた。