「………え?」 思わず、そんな声が漏れた。 今、『落とせ』って言ったよね。 「……なんで?」 …廊下に連れ出されたところで、その腕を振り払って言葉を紡ぐ。 「なんで、落とさなきゃダメなの……?」 だって、納得いかなかった。 せっかく芽有みたいに可愛くなったのに。 「龍真は、私がメイクした顔嫌いなの……?」 龍真の目を、真っ直ぐ見つめる。 鼻の奥がツンとして、目に涙が溜まっていくけど……そんなの気にしない。