『鬼頭 芽有』 そう書かれている筆跡のどれも、私の知ってる人――… 「かあさ、ん……?」 …――母さんの筆跡だったから。 ……私は自分の部屋へ駆け、自分の母子手帳を持ってリビングへと駆け戻る。 それは、母さんの筆跡が残ってる唯一の物。 自然と震える手で、ページを一枚めくると…… 『鬼頭 神無』 その書き方は、芽有の持っている手帳のものと完全に一緒だった。